2004-05-03(Mon) [長年日記]

_1 [芸術] モネ、ルノワールと印象派展 @ Bunkamura

予想通りの混雑。なんでルノワールは水面を描くのが下手なのだろう?

ピサロの構図は面白くない。

_2 [芸術] 20世紀デザインの旗手 レイモンド・ローウィ @ たばこと塩の博物館

Exxon, shell, BP, 不二家のロゴは彼の手による。やはりPeaceのデザインは良い。

_3 [読書] 苅谷 剛彦 "階層化日本と教育危機―不平等再生産から意欲格差社会(インセンティブ・ディバイド)へ"

階層化日本と教育危機―不平等再生産から意欲格差社会(インセンティブ・ディバイド)へ骨子、結論と、数字の細かい分析のメリハリが小さく、読みにくい。

  • 問題の提起 - 「階層と教育」問題の局面変化
  • 流動化の時代 - 戦後日本の社会移動と教育
  • メリトクラシーの時代
  • 能力主義と差別との遭遇 - 「能力主義的-差別教育」感の社会的構成と戦後教育
    • 平等主義のアイロニー
    • 不平等問題のダブルスタンダードと「能力主義的差別」
  • 大衆教育社会の中の<学歴貴族> - 教育改革とエリート教育
  • 努力の不平等とメリトクラシー
  • <自己責任>社会の陥穽 - 機会は平等か
  • <自信>の構造 - セルフ・エスティームと教育における不平等
  • インセンティブ・デバイドと未来社会の選択

3章から読めば十分。もっと言えばP218から読めばOK。

  • 79年に比べて97年では学習時間は減っている。学習時間に父親の職業は効いていないが、母親の学歴は効いている。階層差が拡大している。
  • 受験勉強に向けた動員力が弛緩することで、学力や教育達成における階層間の不平等の拡大・顕在化の可能性が出てくる。
  • 金銭、権力、名声のための外在的な目標への行動よりも、関心、興味に従った内発的な動機づけの方が望ましいと、してしまっていいのか。
  • 自ら学ぶ意欲、興味、関心の育成に失敗し、全体の意欲の低下を招いている。
  • 出身階層の低い生徒たちにとってのみ、「将来のことを考えるより今を楽しみたい」と思うほど、「自分には人よりすぐれたところがある」という<自信>が強まる。学校の業績主義的な価値から離脱することで、「自分自身にいい感じをもつ」ようになっている。
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